お年賀の「のし(熨斗)」の選び方|正しい表書きやマナーも解説

2025年4月9日

お年賀は、日頃お世話になっている方へ年始の挨拶として贈る品です。お年賀には「のし(熨斗)」を添えるのが基本のマナーとされていますが、表書きや名前の書き方など、細かいマナーについて迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、のし紙の基本マナーやお年賀の渡し方など、気を付けるべきポイントをわかりやすく解説します。「今年1年もどうぞよろしくお願いします」という挨拶と日頃の感謝の気持ちを込め、相手に失礼のない形でお年賀を渡しましょう。

なぜお年賀に「のし」が必要なのか

お年賀に「のし」が必要な理由は、贈りものが正式な挨拶や祝いの品であることを示し、贈り主の感謝や祝いの気持ちを伝えるためです。お年賀にのしを添えることで、単なる贈りもの以上に「新年のご挨拶」としての意義が増し、受け取る側にも礼儀を感じさせ心地よく受け取ってもらえるでしょう。

「のし(熨斗)」は、古くから贈りものに添える飾りとして用いられてきました。その起源は、長寿や繁栄を象徴する縁起物として贈答品に添えられていた「のしあわび」にまで遡ります。現代では、のしあわびの代わりに紙で代用されることが多く、「のし紙」として一般的に使われています。

特にお年賀などの新年の贈りものでは、のしは相手への敬意や祝意を示すために重要な役割を果たします。なお、親しい間柄では、より気軽な形式として、無地ののしを使用したり、表書きや名前を省略したりすることもあります。

お年賀の「のし」の基本マナー

お年賀に「のし」を添える際には、基本的なマナーを守ることが大切です。のし紙の選び方から水引(みずひき)の色や結び方、表書きの内容に至るまでのそれぞれのポイントを押さえておくと、相手に失礼なく心のこもった贈りものを渡すことができます。

ここからは、お年賀の「のし」の基本マナーについて紹介します。

「のし」の選び方|紅白か金赤か

お年賀の「のし」は、一般的に紅白の水引を選ぶのが基本です。紅白の水引は、日常的なお祝い事や慶事で幅広く用いられるため、新年のご挨拶であるお年賀にもふさわしいです。

また、初めてのお年賀など特別なとき時には金赤のものを使用することもあります。金赤の水引もお祝い事に使用しますが、神札や門松の飾りなどに使われることが多いです。

「のし」の構成要素と名前の書き方

「のし」の構成要素は、のし(熨斗)・水引・表書き・名前の4つです。

<のし>
「のし(熨斗)」は、のし紙の右上に配置される飾りで、元々は縁起物である「のしあわび」が由来です。現代では紙で代用されており、特にお祝い事で使われます。

<水引>
水引は、のし紙の中央に結ばれている紐状の飾りで、色や結び方によって意味が異なります。水引の結び方は主に2つあり「一度きりであるべきこと」には結び切り、「何度もあってほしいこと」には蝶結びの結び方をします。お年賀は「何度もあってほしいこと」なので蝶結びの水引を選びましょう。

<表書き>
表書きは、のし紙の上段に記載する文言です。お年賀の場合、「御年賀」と記載するのが一般的です。慶事では、表書きは濃い墨を用いて書くのがマナーとされています。

また、表書きに「御年始」と書く場合もありますが、「御年始」は新年を祝って、特別なお付き合いのある人にご挨拶に行くという意味で使われることが多いです。

<名前>
のし紙の下段には贈り主の名前を記載します。個人の場合はフルネームを記入し、複数人の連名で贈る場合は目上の方の名前を右から順に書くのが基本です。職場などで人数が多く連名が難しい場合は、代表者の名前に「◯◯一同」と添える方法もあります。

「外のし」が一般的

お年賀の「のし」には、「外のし」と「内のし」の2種類がありますが、一般的には「外のし」が用いられることが多いです。
 

外のし 包装紙で包んだ品物の外側にのし紙を掛ける方法
内のし のしを包装紙の内側に掛ける方法

 
外のしと内のしの使い分けに厳密な決まりはないものの、それぞれに適した使い分けの状況があります。
「外のし」が適している場合

  • 結婚祝い
  • 出産祝い
  • 直接贈りものを渡すとき

 
たくさんのお祝いが同時に届く方や、直接贈りものを手渡しするときには、のしが見える外のしが多く用いられます。
「内のし」が適している場合

  • 配送で贈るとき
  • 配送で贈るとき

 
配送で贈る場合、外のしだと配送中に汚れる可能性があるため、内のしを選ぶほうが適しています。また、内祝いでは控えめで上品な印象を与える内のしが好まれる傾向があります。

さらに、外のしと内のしの使い分けは地域差もあり、一般的に「関東は外のし」、「関西は内のし」が多いとされています。このような地域ごとの傾向も考慮しつつ、贈る場面にふさわしいのしを選びましょう。

「短冊のし」は失礼?

「短冊のし」は、のし紙を簡略化した形で、細長い短冊状にしたものです。「短冊のし」は「のし紙」と同じ役割を果たすため、マナー違反ではありません。ただし、カジュアルな印象を与えることから、正式な贈りものには不向きとされることが多いです。

お年賀の場合も、目上の方やフォーマルな場面では「短冊のし」ではなく通常ののし紙を使用するのが一般的です。ただし、親しい間柄やカジュアルな関係であれば「短冊のし」を使っても問題ありません。しかし、相手に失礼と感じる可能性がある場合は、通常ののし紙を使うほうが無難です。

水引は紅白の蝶結びを選ぶ

お年賀に用いるのし紙の水引は、「紅白の蝶結び」が一般的です。水引の本数は5本か7本のものを使用します。

水引の結び方にはさまざまな種類がありますが、お年賀は「何度繰り返してもよいお祝い事」なので、蝶結びがふさわしいと考えられています。

水引の色・結び方・本数の使用する場面例は、以下のとおりです。
水引の色の意味

水引の色 使用する場面
紅白・金赤・金銀 慶事
黄白・黒白 弔事

 
水引の結び方の意味

結び方 意味 使用する場面例
蝶結び 何度もあってほしいこと 慶事・出産・進学
結び切り 一度きりであるべきこと 結婚・弔事・病気見舞い・快気祝い
あわじ結び 末永く続くように 結婚式
梅結び 運命向上 慶事

 
水引の本数(奇数が基本)

水引の本数 使用する場面
3本 粗品
5本 一般的な贈りもの
7本 通常よりも丁寧な贈りもの
10本 結婚祝い

お年賀のマナーについてよくある質問

お年賀を贈る際には、のしや水引以外にもさまざまなマナーに気を配る必要があります。

ここでは、お年賀に関するよくある質問をまとめました。適切なマナーを守って、相手に失礼のないように贈りものをしましょう。

また、お年賀についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事:お年賀とは?意味・マナー・贈りものの選び方を徹底解説

お年賀を渡すときは何と言う?

お年賀を渡す際には、「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」といった新年の挨拶に加え、「ささやかですが」「ほんの気持ちです」「心ばかりですが」などの言葉を添えて渡すとよいでしょう。

なお、「つまらないものですが」といった謙遜の表現は避けましょう。

お年賀とお歳暮はどちらを贈るべき?

お年賀とお歳暮のどちらを贈るべきかは、贈る時期や目的に応じて異なります。

お歳暮は、年末に一年間お世話になった方々への感謝の気持ちを表す贈りものです。一方、お年賀は新年のご挨拶として贈るもので、元旦から1月7日(関西や名古屋では1月15日)の松の内の期間に渡します。

年内に感謝を伝えたい場合にはお歳暮を、新年の挨拶として感謝を伝えたい場合にはお年賀を選ぶとよいでしょう。

また、特に親しい関係やお世話になった方には、お歳暮とお年賀の両方を贈ることが望ましいです。これにより、感謝の気持ちと新年の挨拶を両立できます。

ただし、どちらか一方だけを贈る場合でもマナー違反にはなりません。相手との関係や贈るタイミングを考慮して選びましょう。

お年賀の時期を逃してしまったら?

お年賀を贈る時期は、元旦から1月7日(関西や名古屋では1月15日)の松の内の期間とされており、この期間を過ぎてしまった場合には表書きを変えて贈るのがマナーです。

松の内を過ぎたあとは、「寒中見舞い」として贈ることが一般的です。寒中見舞いは、立春(2月4日頃)までの期間に贈りましょう。

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お年賀の「のし」の正しいマナーを知って新年のあいさつをしましょう

新年のご挨拶としてのお年賀には、のしの正しいマナーを理解し、相手に失礼のない形で贈りものをすることが大切です。

のしや水引の選び方、表書きの書き方といったお年賀のマナーを守ることで、相手に喜んでもらえるだけでなく、贈る側も安心して気持ちを伝えられます。新年の始まりを気持ちよく迎え、素晴らしい1年のスタートを切りましょう。

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