入学祝いは、子どもたちの新たな門出を祝う大切な贈りものです。特に、親戚や友人の子どもの成長を見守る立場として入学祝いを贈ることは、後の関係性を深めるのにも役立ちます。
しかし、初めての方にとっては、のし袋の選び方や書き方、贈る際のマナーなど、戸惑うことも多いでしょう。
本記事では、入学祝いののし袋の選び方から贈り方までを解説し、マナーを守りながらお祝いの気持ちを伝えるためのポイントをお伝えします。
目次
入学祝いに最適なのし袋の選び方
さまざまな種類やデザインがあるのし袋ですが、のし袋選びを誤ると、相手に対して礼儀を欠いたり失礼な印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、贈る金額や相手に応じた適切なのし袋の選び方を解説します。
包む金額に見合ったのし袋を選ぶ
のし袋を選ぶ際は、包む金額に見合ったデザインを選ぶのがポイントです。一般的に、包む金額が大きいほど、豪華なデザインののし袋が適しています。
以下の表は、包む金額とのし袋のデザインの目安です。
金額の目安 | のし袋のデザイン |
---|---|
1万円以下 | 小型でシンプルなデザイン。のしや水引が印刷されたのし袋でも可。 |
3万円~5万円 | 中型で華やかなデザイン。金銀や紅白の水引がかかったのし袋。 |
5万円以上 | 大型で豪華なデザイン。華やかなアレンジの水引や上質な和紙でつくられたのし袋。 |
のし袋売り場でいくつか見比べると、違いがわかりやすいでしょう。また、販売されているのし袋のパッケージに「包む金額の目安」が表示されている場合も多いので、参考にしてみてください。
金額の相場やプレゼントの選び方はこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:入学祝いの相場は?贈り方やマナー、おすすめギフトを解説
水引は紅白の蝶結びにする
入学祝いののし袋は、紅白の蝶結びの水引がついたものを選びましょう。
紅白は祝いごと全般に使われる色であり、蝶結びは「何度あっても良いこと」を意味します。入学という新たな門出を祝う場面では、おめでたい意味合いを持つ紅白の蝶結びの水引が最適です。
水引は結び方によって意味が変わります。なかにはお祝いごとに適さない水引もあるため、のし袋を選ぶ際は注意しましょう。
入学祝いののし袋の書き方
のし袋の書き方には基本的な決まりがあります。
ここでは、のし袋の表書き、中袋、裏面のそれぞれの書き方について解説します。
表書きの書き方
のし袋の表書きには、贈る目的や送り主の名前を記入します。
入学祝いの場合、「御入学祝」や「入学御祝」 といった表現が一般的ですが、小さな子どもや親しい間柄の場合、「入学おめでとう」といった書き方でも問題ありません。贈る目的にあわせたこのような言葉を、水引の上の中央部分に大きく記入します。
名前は、送り主のフルネームを、水引の下の中央部分に少し小さめの字でバランスよく記入します。連名の場合は、上位の方の名前を右から順に記入しましょう。
文字を書く際は、筆や筆ペンを使用します。ボールペンや鉛筆は見栄えが悪く、失礼にあたるため、おすすめしません。
中袋の書き方と注意点
中袋は、のし袋の中に入っている現金を入れる袋です。
中袋の表面には、包んだ金額を旧字体で記入します。たとえば、「一万円」は「壱萬円」、「五千円」は「伍千円」 などです。記入する位置は、中央からやや上部あたりです。
裏面には、贈り主の住所と氏名を記入します。記入する位置は左下で、住所、氏名の順に記入します。
裏面の書き方と注意点
中袋がないのし袋を使用する場合、のし袋の裏面には、贈り主の住所と名前、贈る金額を記入します。
中袋があるのし袋を使用する場合は、中袋にすでに記入済みのため、のし袋の裏面になにか記入する必要はありません。
間違った場合の修正方法
文字を書き損じてしまった際は、修正液や修正テープを使用せず、新しいのし袋に書き直すのがマナーです。
間違いを防ぐためには、練習をしてからのし袋に記入するのがおすすめです。実際にのし袋に記入する際も、お手本を手元に置きながら書くと誤字や脱字を防げます。
入学祝いを贈るときのマナー
入学祝いを贈る際は、贈り方にもマナーがあります。マナーを守ることで、相手に対する礼儀を尽くし、お祝いの気持ちをより効果的に伝えられます。
ここでは、入学祝いを贈る際に知っておきたい基本的なマナーを解説します。
新札やピン札を用意する
入学祝いに包むお金は、新札やピン札を使用しましょう。
新札は、発行後まだ使用されていないお札のことで、ピン札はシワや折り目がついていないお札を指します。新札やピン札は、「あらかじめ準備して待っていた」という相手に対する敬意や祝福の気持ちを示せるため、お祝いの場面でよく使用されています。
新札やピン札は、銀行や郵便局で両替可能です。
直接手渡すときはふくさを使う
入学祝いを直接手渡す際には、ふくさを使うとより丁寧な印象を与えられます。
さまざまな色のふくさがありますが、慶事には朱色や明るい色が適しています。紫色のふくさは、慶事と弔事の両方で使用できる万能色です。
ふくさの包み方には決まった手順があります。まず、ご祝儀袋を中央に置き、左・上・下・右の順でふくさを折りたたみ ます。
ふくさを使う際の手順は以下のとおりです。
- 自分から見て右側にふくさが開くように持ち、右手で開く。
- 開いた部分を裏側に折り返し、右手でのし袋を引き出す。(挟むタイプのふくさの場合、開いた部分は裏側に折り返さずにそのまま閉じる。)
- 台付きふくさの場合は台の上に、台がない場合はふくさそのものを台にして、引き出したのし袋を乗せる。
- ご祝儀袋を時計回りに180度回して、相手側から表書きが読めるようにして両手で渡す。その際、「この度はおめでとうございます」といったお祝いの言葉を添えると良い。
郵送するときはメッセージを添える
都合により入学祝いを郵送する場合は、お祝いの品だけでなくメッセージを添えると相手への思いやりがより伝わります。現金を郵送する場合は、必ず現金書留で送ります。
新しい門出へのお祝いの言葉と、これからの生活を応援する言葉を贈りましょう。手紙だけでなく、メッセージカードもおすすめです。
また、郵送後には、メールや電話で一報を入れておくと相手が確実に受け取れます。特に、遠方に住む親戚や友人に贈る場合は、届いたかどうかの確認も含めて連絡をすると良いでしょう。
進路が決定してから贈る
入学祝いを贈るタイミングは、進路が確定してから贈るのが基本です。
残念ながら志望校に不合格となった場合や、なんらかの事情で進路を変更した場合、相手に気を遣わせてしまう可能性があるためです。
一般的には、進路が決定した後、3月の初旬から中旬頃まで贈ると良いとされています。遅くとも入学式の1週間前までに贈るのが望ましい でしょう。入学準備が始まる前に贈ると、相手が余裕を持って受け取れます。
真心を込めた入学祝いでお祝いの気持ちを伝えよう
入学祝いは、子どもたちの新たな門出を祝う特別な贈りものです。その本質は、形式や金額だけでなく、贈る側の真心や思いやりにあります。
また、贈りものを通じて、子どもの成長を見守り続ける姿勢を示すことで、親戚や友人との絆を深めることにもつながります。
真心を込めた入学祝いを贈り、子どもたちの明るい未来を祝福しましょう。