新築祝いは、新しい住まいを手に入れた方への祝福の気持ちを伝える大切な贈りものです。
しかし、適切なのし袋の選び方や正しい書き方、渡し方に迷うこともあるでしょう。
本記事では、新築祝いを贈る際ののし袋に関する基本知識から、選び方、書き方、そして贈る際のマナーまで詳しく解説します。この記事を参考に、心からの祝福を込めた適切なのし袋を選びましょう。
目次
のし袋の基本知識
新築祝いをはじめとしたお祝いの贈りものとして金銭を渡す場合、「のし袋」に現金を入れて渡すのが一般的です。
ここでは、お祝い事に欠かせないのし袋の基本を解説します。
のし袋の役割
のし袋は、お祝いの贈りものとして金銭を贈る際に使用される袋です。
のし袋の右上に飾られている「熨斗(のし)」は、もともとは「熨斗鮑(のしあわび)」を指します。鮑は貴重な食材で、長寿を象徴する縁起物として、神事や祝いの場で贈答品に添えられてきました。現代では、これが紙製の飾りとして簡略化され、のし袋に使われています。
のし袋を使用してお祝いを贈ると、相手に対する礼儀を示せるだけでなく、贈りものの価値も高められます。
のし袋の各部位の名称と意味
のし袋は、おもに3つの部位で構成されています。それぞれの名称や役割は以下のとおりです。
- 上袋(上包み):のし袋の一番外側の袋または紙を指します。贈りものの外見を整える役割を果たし、表書きや贈り主の名前を記載します。
- 水引:袋を結ぶための飾り紐です。新築祝いには、喜びを繰り返すという意味を持つ「紅白の蝶結び」が適しています。
- 中袋(中包み):のし袋の中にある現金を収める袋や紙です。金額や贈り主の名前を記載します。
新築祝いに最適なのし袋の選び方
新築祝いを贈る際には、適切なのし袋を選ぶことが大切です。のし袋の選び方次第で、相手に対する敬意や感謝の気持ちがより強く伝わります。
ここでは、包む金額や水引の選び方、デザインのポイントについて解説します。
包む金額に見合ったのし袋を選ぶ
まず、包む金額に応じて、適切なのし袋を選びましょう。
高額の金銭を贈る場合は、豪華なデザインや厚手の紙を使用した上質なのし袋が適しています。
逆に、少額の場合は、スタンダードで派手すぎないデザインののし袋がよいでしょう。1万円程度であれば、熨斗や水引や印刷されたシンプルなのし袋でも問題ありません。
金額と袋のデザインが不釣り合いだと、かえって失礼にあたる場合もあり、注意が必要です。
水引は紅白の蝶結びにする
新築祝いでは、紅白の蝶結びの水引が一般的です。
蝶結びは、何度でも結び直せることから、「繰り返しあってほしいおめでたいこと」という意味が込められています。
また、色にも意味があり、紅白は祝い事に最適な組み合わせです。
デザインは相手との関係性に合ったものを選ぶ
のし袋のデザインは、贈る相手との関係性に応じて選ぶとよいでしょう。
親しい友人や家族には、親しみやすいデザインを選ぶのがおすすめです。一方、職場の上司や取引先などには、よりフォーマルでシンプルなデザインが適切と考えられます。
また、相手の年齢や性別に合わせたデザイン選びも重要です。最近では、モダンなデザインののし袋が人気ですが、伝統的なデザインも尊重しつつ選ぶことが大切です。
新築祝いののし袋の書き方
新築祝いののし袋を正しく丁寧に書くと、贈る相手への敬意を伝えられます。
ここでは、のし袋の表書きや中袋、裏面の書き方、そして書き間違えた場合の対処法について詳しく解説します。
表書きの書き方と例
のし袋の表書きには、贈る目的を表す言葉を書きます。
新築祝いの場合、一般的には「新築御祝」や「御祝」と書く 場合が多いです。表書きは水引の上、中央に、大きくかつバランス良く配置します。
送り主の名前は、水引の下、中央に記入します。連名の場合は、右から順に目上の人の名前を書きます。
文字を書く際には筆や筆ペンを使用し、できるだけ丁寧に書きましょう。
中袋の書き方と注意点
中袋には、金額のほか、贈り主の住所と名前を記入します。
金額は中袋の表面中央に、「金 壱萬円」「金 参萬円」などと記入します。金額部分は旧漢字で書くのが一般的なため、「一」「三」などと書かないように注意しましょう。
贈り主の住所と名前は、裏面の左下に小さめの字でバランス良く記入します。縦書きで、住所、名前の順に書いてください。
裏面の書き方と注意点
中袋のないのし袋を使用する場合は、のし袋の裏面に住所と名前を記載します。 中袋があるのし袋の場合は、すでに中袋の裏面に住所と名前を記入しているため、のし袋の裏面にはなにも記入しません。
書く際には、裏面の左下の位置に、小さめの字でバランスを考慮して記入します。
書き間違えた場合の対処法
のし袋を書く際に間違えてしまった場合、新しいのし袋に書き直すのが基本です。
修正液や修正テープの使用は失礼にあたるため、避けましょう。
間違わずにバランス良く書くためにも、練習用の紙に書いてから本番に臨むのがおすすめです。
新築祝いののし袋への現金の入れ方
のし袋へ現金を入れる際にも、いくつかマナーがあります。
ここでは、のし袋に現金を入れる際に気をつけたいポイントや、のし袋の閉じ方について解説します。
お札の種類や入れる向き
新築祝いの際には、新札を使用しましょう。新札を使用することで、「新しい門出を祝うために準備していた」という相手に対する配慮や敬意を伝えられます。
お札をのし袋または中袋に入れる際は、まず、お札を全て表面(肖像画がある面)にそろえます。次に、のし袋または中袋を表に向けた状態で、そろえたお札を肖像画が上になるようにのし袋または中袋に入れます。
お札の向きや面が逆になると失礼にあたるため、注意が必要です。
のし袋の閉じ方や封の仕方
のし袋を閉じる際には、上側の部分を先に折り、その上から下側の部分をかぶせるようにして封をします。
封をする場合の、のり付けは不要です。のり付けをすると開封の際に手間がかかるため、相手への心遣いとして封はしないのが一般的です。
中袋も同様に、のり付けは不要です。
新築祝いを渡すときのマナーとタイミング
新築祝いを贈る際には、のし袋の渡し方にも注意が必要です。正しいタイミングやマナーを守ることで、相手により気持ちよく贈りものを受け取ってもらえるでしょう。
ここでは、直接渡す場合と郵送する場合、それぞれのマナーとタイミングについて解説します。
直接渡す場合
新築祝いを直接渡す時期は、新居の引き渡し後1ヵ月以内が目安です 。
新居へ訪問の際は、相手の都合を事前に確認し、迷惑にならない時間を選びましょう。
実際に手渡す際には、「このたびは新築おめでとうございます」といった祝いの言葉を添えて、両手で手渡します。相手と目線を合わせて、丁寧に渡しましょう。
郵送する場合
遠方のため直接渡せない場合は、郵送で新築祝いを贈っても問題ありません。現金は普通の封筒では送れません。郵便局で現金書留封筒を用意してください。
輸送中にのし袋が折れ曲がらないように、の し袋が入る大きなサイズの現金書留封筒を用意しましょう。送るタイミングは、引っ越し直後や新居への引き渡し後がよいとされています。
また、確実に受け取ってもらうために、新築祝いを贈った旨を事前に連絡しておくとよいでしょう。到着後に相手から連絡がない場合も、フォローとして一度確認の連絡を入れると丁寧です。
最適な新築祝いののし袋を選んで真心を伝えよう
新築祝いは、相手の新たな門出を祝う大切な機会です。特に現金を贈る場合は、のし袋の選び方や包み方に注意を払い、丁寧に準備することが重要です。
本記事で紹介したポイントを参考に、正しいマナーとともに、新しい生活の門出をお祝いしましょう。